安定同位体比分析用元素分析装置のゴールドスタンダード
EA-IRMS用元素分析装置装置のゴールドスタンダード: vario ISOTOPE cubeを紹介します。このEA-IRMS用元素分析装置は、優れた分析性能に加えて、卓越した柔軟性と使いやすさを兼ね備えています。vario ISOTOPE cubeは、最大1gまでのサンプルの炭素、窒素、硫黄の安定同位体比を同時に分析できるように設計されています。この分析装置は、C:N = 7,000:1、C:S = 5,000:1という元素量が少ないサンプルの元素組成比を決定することができ、さらに酸素および水素安定同位体のオプションも提供しています。24時間365日の無人運転を想定して設計されたvario ISOTOPE cubeは安定した稼働時間を提供します。そして最先端のIRMSシステムと組み合わせることで、常に最高の分析結果を得ることができます。
vario ISOTOPE cube 製品の特長
様々なサンプルに対応
固体から液体まで、幅広いサンプルに対応し、δ18Oとδ2Hの測定も可能(オプション)
NCS同時分析による優れたピーク形状と分離性
樹木年輪など炭素量の多いサンプルに含まれる微量硫黄分の分析に最適です
正確な酸素同位体分析
δ18O分析時にCOとN2をベースラインで分離可能で、高精度な酸素同位体分析が可能。
操作しやすいソフトウェア
優れた自動化機能と低メンテナンス設計
特長
最新のパージ&トラップ技術による優れたサンプル分析
vario ISOTOPE cubeは、マイクログラムからグラムまでのサンプルの分析を可能にし、お客様のアプリケーションに対応した分析能を提供します。これを可能にしているのは、広いダイナミック測定範囲を実現するAPT(Advanced Purge and Trap)技術です。さらに、オプションの液体オートサンプラーは簡単に取り付けることができ、ハイスループットの液体サンプル分析が可能です。さらに、δ18O、δ2H測定用のコンバージョンキット(オプション)により装置をアップグレードすることができ、様々な分析が可能になります。なお、水の水素同位体比を分析する場合は、オプションのChrome HDキットをお勧めします。
最新のパージ&トラップカラムによる優れたピーク形状・分離
vario ISOTOPE cubeは、NCS同時分析モードにおいて、9分以内に優れたピーク形状と完全なピーク分離を実現します。これは、幅広いアプリケーションにおいて優れた分析性能を提供するエレメンター社のAPT(Advanced Purge and Trap: 最新のパージ&トラップ)技術によって実現されています。これにより、炭素量の多い樹木の年輪などのサンプルであっても、含有量が非常に低い硫黄分を検出することができ、NCS同位体分析に最適な装置となります。
完全なベースライン分離による酸素同位体比分析
酸素同位体比分析は、vario ISOTOPE cubeのオプションの一つです。窒素を含むサンプルのδ18O分析は、N2がCOに干渉するため正確な同位体比分析が困難とされていました。vario ISOTOPE cubeでは、δ18O分析時にCOとN2をベースラインで分離することで、常に信頼性の高い分析結果を得ることができます。これは、カラムバックフラッシングを用いたAPT技術によって達成され、N2の干渉を完全に排除し、δ18O分析において優れた分析精度を実現します。
デザインによる高い操作性
分析中であっても追加分析が可能な80ポジションのオートサンプラーを搭載したvario ISOTOPE cubeは、24時間365日の無人分析と高いサンプルスループットを実現するために設計されています。大きなアッシュフィンガーを有し、さらに燃焼管と還元管が分離しているため、メンテナンス頻度が非常に少なく、システムの稼働率が高くなるよう設計されています。工具を使わないユーザーフレンドリーなクランプによるガス配管接続、アクセスが容易なスライド式の炉は快適なメンテナンス作業を保証します。
10年保証部品
高温燃焼炉と、熱伝導度検出器 (TCD) の 熱伝導度検出器セル (TCDセル) には10年保証を付与していますので、安心してお使いいただけます。また、長期的な視点に立った技術サポートとして、スペアパーツを最低10年間提供しています。これにより、トータルコストを大幅に削減し、お客様に投資効果を実感していただくことができます。
製品の詳細
vario ISOTOPE cubetは以下の元素種のデルタ値分析に対応します。
- C: δ13C
- N: δ15N
- S: δ34S
- O: δ18O*
- H: δ2H*
秤量範囲
マイクロ(20 µg)からセミマクロ(1 gの土壌)まで、幅広い秤量範囲を実現
元素定量範囲
- C: 最大20 mg abs.
- N: 最大15 mg abs.
- S: 最大 3 mg abs.
- O*: 最大 6 mg abs.
- H*: 最大 3 mg abs.
分析精度
元素分析精度(外部精度, 1s)
C, N, S, O< 0.1 %
安定同位体比分析精度(外部精度, 1s)
- δ13C: 0.1 ‰
- δ15N: 0.15 ‰
- δ34S: 0.2 ‰
- δ18O: 0.3 ‰
- δ2H*: 3 ‰
- δ2H* (HDChrome): 0.5 ‰
分析時間
1元素あたり約3~4分、元素の含有量とサンプルの重量に応じて自己最適化されます。サンプルの種類、分析モード、構成によって異なります。
高温燃焼ユニット
最高1,200 °C(錫箔使用時は燃焼点で1,800 °C)で試料を完全に分解し、10年間の炉の保証が付いています。サンプルに直接酸素を噴射することで、燃焼時の酸素濃度が最も高くなり、ガス消費量も少なくなります。これにより、従来は燃焼しにくかったサンプルでも、100%の回収率が保証されます。
パージアンドトラップクロマトグラフィー
各ガスはTPDカラム温度を段階的に加熱することで放出されます。
ガスの放出(=カラムの加熱)は、先行するガスのピークがベースラインに達したときに開始され、オーバーラップのないピークのベースライン分離と分析時間の自動最適化を実現しています
検出器
熱伝導度検出器 (TCD)
サンプルセット
- 80*、120、または240*試料のオートサンプラー(固体およびカプセル封入液体)、分析中にサンプルの追加可能
- 洗浄バイアルと廃棄バイアルを備えた50試料の液体オートサンプラー*(2mlバイアル)、分析中に分析中にサンプルの追加可能
電熱炉最高温度
1,200 ° C (スズ箔を使用した場合、一時的に1,800℃に到達)
機器制御
Windows®ベースのlyticOS® ソフトウェアスイートにLIMSを統合し、自動スリープ・ウェイクアップ機能で夜間の自動運転・無人運転を実現。
使用ガス
ヘリウム、酸素
寸法
48 x 55 x 57 cm (幅 x 奥行 x 高さ)