精度を追求したガス分析装置
デュアルインレットは、精製ガス、炭酸塩、水の分析において、最も高精度・高確度・高感度な分析技術です。このため、iso DUAL INLET は、分析精度が古気候モデルの精度に直接影響する古気候アプリケーションにおいて、ユニークな役割を果たしています。世界の気候は不安定ですが、将来起こりうることを予測する前に、地球の歴史の中で何が起こってきたのかを理解する必要があります。この過去の気候イベントを解明するために、iso DUAL INLETは、古気候学者による古気候解析に貢献し、さらに地球の未来を左右する可能性のある政策立案者に情報を提供するための貴重なツールとなりえます。
iso DUAL INLET 製品の特長
高感度
少量のサンプルでも分析が可能
高精度分析
炭酸塩や最高精度を誇る水のd18O分析
コンパクトシステム
スペースが限られるラボに最適なシステム
操作しやすいソフトウェア
優れた自動化機能と低メンテナンス設計
特長
サンプル量に依存しない簡単な操作・分析
iso DUAL INLETはサンプル分析に幅広いダイナミックレンジを提供し、微量から大量までの有孔虫サンプルを問題なく分析することができます。これは、2つのステッピングモーター駆動の高圧縮比ベローズをソフトウェアで完全自動制御することで実現しています。さらに、特許取得済みの自動制御式マイクロボリュームコールドフィンガーにより、非常にごく微量のサンプル分析が可能ですので少量のCO2サンプルでありながら高精度分析が実現されます。
高精度分析
iso DUAL INLETは、DI-IRMS分析における最高精度を実現します。サンプルガスとリファレンスガスをバランスよくisoprime precisION IRMSシステムに導入させることで、両ガスを同一に処理することができ、潜在的な分析時の誤差抑えることができます。さらに、デュアルインレットデバイスには、14個の超低デッドボリュームバルブが搭載されていますが、バルブボディは高純度ステンレス鋼の単一ブロックから削り出すことでデッドボリュームを可能な限り削減しています。これらの特徴により、水サンプルのδ¹⁸O分析において世界最高の精度を実現しています。
ラボの貴重なベンチスペースを節約する小さな設置面積
ラボのベンチスペースは貴重です。iso DUAL INLETは、エレクトロニクスと真空システムを内蔵することで他社のシステムに比べて大幅に小型化されているため、非常にコンパクトな設置面積を実現しています。
高度な自動化と低メンテナンスによる高い操作性
lyticOS®ソフトウェアスイートを使用することで、iso DUAL INLETの完全な自動化が可能となり、装置の操作時間を最小限に抑えることができます。例えば、lyticOSはサンプルガスを指定の強度範囲内に収めるようにの拡散やガスを一部捨てるチョップを自動的に処理するので、煩雑なプログラムを設定する必要はありません。また、100mlの大容量リファレンスガスベローズは、長時間の自動運転であってもガスの補充を必要としません。さらに、何百万回もの稼働に耐えることが証明されている信頼性の高い堅牢なバルブシートを採用することで、iso DUALインレットは最高のシステム稼働時間を提供します。
製品の詳細
iso DUAL INLETは、真空拡散技術を用いてリファレンスガスとサンプルガスを操作することでisoprime precisION安定同位体比質量分析計にガスを導入します。この装置では、ターボ分子ポンプと容積の小さいバルブを使用して、同位体分別を引き起こすことなくガスを分離・拡散させます。リファレンスガスとサンプルガスは、同一構造の経路を通り、可変ステッピングモーターで制御されたベローズで検出ビーム強度を揃えます。分析時、サンプルガスとリファレンスガスは、専用の切り替えバルブを使って交互にイオン源に導入されるため、1つのサンプルに対して複数回の分析が可能です。そして統計処理を行うことで標準誤差が大幅に改善され、分析値の信頼性を高めることができます。
iso DUAL INLETは、安定同位体比質量分析計isoprime precisIONに接続可能であり、lyticOS®ソフトウェアスイートで制御されます。lyticOS®は、メソッドやルーチン操作を簡単に最適化できるだけでなく、分析機器の各種リードバックを分析と同時に取得することが可能なため、より完璧なサンプル分析を実行することができます。ソフトウェアとシステム一新されたiso DUAL INLETは、長年にわたってラボに最高のパフォーマンスを提供します。
炭酸塩と水両方の分析に対応する一台のデュアルインレットシステム
iso MULTI PREPにより、炭酸塩と水の分析を一台のシステムで行うことができ、気候変動科学研究における貴重なツールとなります。これらの分析に一台のシステムで対応できる装置はiso MULTI PREPのみであり、とてもユニークなシステムです。モードの切り替えは、針を交換するだけですのでわずか数分で完了します。
最高精度を誇る水のd18O分析
水のδ18O高精度分析が必要な場合、必要な機器はiso AQUA PREP一択です。iso AQUA PREPは、連続フローIRMSシステムやキャビティリングダウン分光システムでは実現できない< 0.05‰(1σ、n=10)という精度を実現します。iso AQUA PREPは、セプタムシールされたバイアル内の水サンプル上部のヘッドスペースに注入する平衡ガスと水サンプルとが同位体交換を行う平衡化法を採用しているため、溶存有機化合物が多量含まれる水試料の分析が可能です。さらに、サンプルトレーには最大180のサンプルを一度にセット・分析することができ、サンプル間でドリフトやサンプル内のメモリがほとんど見られない優れた安定性を実現しています。
炭酸塩の高感度・高精度分析
iso DUAL INLET は iso CARB PREP システムと組み合わせることで、20 µg までの炭酸塩のδ13C とδ18O を高精度で自動分析を行うことができます。 iso CARB PREP はデュアルコアニードルを使用し、ダイレクトドライブ型のリン酸ポンプを使ってリン酸を送液し、セプタムシールされたサンプルバイアルに供給します。加熱されたサンプルトレイには最大で180本のサンプルバイアルを搭載でき、圧倒的なサンプルスループットを実現しています。また、デュアルコアニードルを使用することで、生成されたサンプル由来のCO2を液体窒素で冷却したマイクロボリュームコールドフィンガーを用いてリアルタイムで捕集することができます。これらの機能はすべて、非常にコンパクトなベンチトップ型の装置に組み込まれており、最小のフットプリントで最高性能の炭酸塩分析を実現します。
精製ガスの自動分析
従来のオフラインシステムを使って調製した精製ガスの分析を自動化したいと考えているラボには、iso MANIFOLD システムを推奨します。iso MANIFOLD は、バルブシールされたガラスマニホールドチューブに調製した最大 50 個のガスサンプル、または当社の特別設計クラッカーチューブ用に調製した最大 20 の精製ガスサンプルを分析できます。手動で1サンプルの分析を行うのではなく、自動化されたシステムに切り替えることで、サンプルのスループットを大幅に向上させ、オペレーターの作業時間を短縮することができます。iso MANIFOLDシステムは、iso CARB PREP、iso AQUA PREP、および iso MULTI PREP システムと互換性があり、どの分析においてもサンプル分析性能が損なわれることはありません。
- CO2、H2、SO2、O2など精製済みのガスはiso DUAL INLETのみで分析可能
- iso DUAL INLETシステムを、連続フロー用モニタリングガスの注入システムとして利用することができます。これによりSO2やCOなどの有毒ガスを取り扱う際に、実験室内の有毒ガスの使用量を大幅に削減できる利点があります
- 炭酸塩のクランプドアイソトープ分析(D47CO2)に対応するコレクターシステムへのアップグレード
- CO2、O2、H2、SO2 などの精製済みガス分析: iso DUAL INLETのみによる半自動分析、またはiso MANIFOLD を利用した自動分析
- 地下水、アイスコア、生物由来の水の自動分析: iso AQUA PREP
- 炭酸塩の自動分析: iso CARB PREP
- 炭酸塩物質と水サンプルの両方の分析: iso MULTI PREP