MILEA
低エネルギーマルチアイソトープAMS
Ionplusは、ETH Zurichとの共同研究により次世代用低エネルギーマルチアイソトープAMSシステム MILEAを開発しました。¹⁰Be、¹⁴C、²⁶Al、⁴¹Ca、¹²⁹I、U、Pu、および他のアクチニドを分析対象としたこの装置は、AMSとして実績があるMICADASの加速器およびイオン源技術と、ETHの「TANDY」AMSの高エネルギーレイアウトを組み合わせたものです。
MILEAの設置面積はわずか3.5 m x 7 mと非常にコンパクトです。加速器はMICADASと同じ真空絶縁設計でありながら、そのエネルギーは最大300kVです。この新しいAMSの低エネルギー側には、収差補正のための90°電場と磁場が搭載されています。また、高エネルギー側には、"TANDY "AMS(90°磁場、120°電場、110°磁場)を参考にした収差補正機能があります。加速器ユニットの後段にある三連四重極により、すべての分析において同じイオン光学条件を作ることができるため、チューニングが容易です。さらに、新しいマルチアイソトープAMSシステムの最後段にある新しく改良された低ノイズΔE-Eresガスイオン化チャンバーにより、干渉粒子を確実に分離・同定します。
2017年に製作されテストされたMILEAプロトタイプ装置は、テストされたすべてのアプリケーションにおいて、ETHの高エネルギーAMSの性能と同等かそれを上回る優れた性能を示しました。新しい加速器制御ソフトウェア ACS との組み合わせにより、現在、MILEAは世界で最もコンパクトなAMSであることに加えて、最も使いやすいマルチアイソトープAMSシステムでもあります。MILEAの詳細については、こちらまでお問い合わせください。
- H. A. Synal, M. Stocker and M. Suter, MICADAS: A new compact radiocarbon AMS system. NIM B, 259 (1) (2007), p. 7-13.
- A.M. Müller, J. Lachner, M. Christl, M. Suter, H.A. Synal, Competitive ¹⁰Be measurements below 1 MeV with the upgraded ETH-TANDY AMS facility. NIM B, 268 (2010), p. 2801
- S. Maxeiner, M. Suter, M. Christl, H.-A. Synal, Simulation of ion beam scattering in a gas stripper. NIM B, 361 (2015), p. 237-244
- T. Schulze-König, M. Seiler, M. Suter, L. Wacker, The dissociation of ¹³CH and ¹²CH₂ molecules in He and N₂ at beam energies of 80-250 keV and possible implications for radiocarbon mass spectrometry. NIM B, 269 (2011), p. 34-39
- J. Lachner, M. Christl, A.M. Müller, M. Suter, H.-A. Synal, ¹⁰Be and ²⁶Al low-energy AMS using He-stripping and background suppression via an absorber. NIM B, 331 (2014), p. 209-21
- C. Vockenhuber, V. Alfimov, M. Christl, J. Lachner, T. Schulze-König, M. Suter, H.-A. Synal, The potential of He stripping in heavy ion AMS. NIM B, 294 (2013), 382-386
- C. VOCKENHUBER, T. SCHULZE-KÖNIG, H. A. SYNAL, I. AEBERLI AND M. B. ZIMMERMANN, EFFICIENT ⁴¹CA MEASUREMENTS FOR BIOMEDICAL APPLICATIONS, NIM B 361 (2015), P. 273-276
- C. Vockenhuber, N. Casacuberta, M. Christl, and H.-A. Synal, Accelerator Mass Spectromentry of ¹²⁹I towards its lower limits, NIM B 361 (2015), p. 445-449
- M. Christl, N. Casacuberta, J. Lachner, S. Maxeiner, C. Vockenhuber, H.-A. Synal, I. Goroncy, J. Herrmann, A. Daraoui, C. Walther, R. Michel, Status of ²³⁶U analyses at ETH Zurich and the distribution of ²³⁶U and ¹²⁹I in the North Sea in 2009, NIM B 361 (2015), p. 510-516
- A.M. Müller, M. Suter, H.A. Synal, Performance of the ETH gas ionization chamber at low energy. NIM B, 287 (2012), p. 94-102
特長
- ¹⁰Be, ¹⁴C, ²⁶Al, ⁴¹Ca, ¹²⁹I U, Pu、その他のアクチニド
- 分析アイソトープの高速切り替え
- すべてのアイソトープに対応した最適イオン光学系
- 放射性炭素分析のためのガスインターフェイスイオン源
- GIS 完全自動化されたガス測定システム
- 真空解除およびイオン源冷却が不要な連続分析用高速マガジン
- 省スペース設計 非常にコンパクトなマルチアイソトープAMS
- SF6が不要かつ可動部品がない真空絶縁加速ユニット
- 最小限のメンテナンス
仕様
- 分析アイソトープ: ¹⁰Be, ¹⁴C, ²⁶Al, ⁴¹Ca, ¹²⁹I U, Pu、その他のアクチニド
- 固体試料とCO₂ガス用のハイブリッドセシウムスパッタ型負イオン源
- ランダムアクセス仕様の40ポジションサンプルチェンジャー
- 300kVAMSのための低メンテナンスのソリッドステート電源を用いた真空絶縁仕様の高電圧プラットフォーム
- ヘリウム除去機能
- 高い質量選択性、Uの存在量感度 < 5e-13
- 全測定電流範囲(1pA~300μA)をカバーする高エネルギー側の7つのファラデーカップとインテグレーター
- アブソーバーセルと2パラメータデータ取得機能を有する高分解能ΔE-Eresガスイオン化チェンバー
- ビームラインの高さ:メンテナンスが容易な1.15 m
- 寸法および重量:3.5m x 7m x 2m、15,000kg
- 絶縁のためのSF₆ガスが不要
インターフェース
GISとその周辺機器(元素分析装置、CHS 2、IRMS)を組み合わせることで、MILEAとMICADASは市場で最も汎用性の高い14C用AMSになります。
インターフェース接続と測定例についてはこちらをご覧ください。