MICADAS
超小型 放射性炭素年代測定システム
高性能なIonplus社製のフラッグシップAMSシステム: 超小型放射性炭素年代測定システムMICADASは、¹⁴Cアプリケーションのための真の高精度分析装置です。永久磁石と新デザインにより、MICADASは世界で最もエネルギー効率の高いAMSであり、そしてそのは設置要件は従来機器のそれよりも緩和されています。
2004年、MICADASのプロトタイプがチューリッヒ工科大学のイオンビーム物理学研究所によって開発・製造されました。それ以来、20台以上の装置が世界中のお客様に納入されています。MICADASは最高の性能と信頼性を実証し、¹⁴C-AMSの新しいスタンダードとなりました。
わずか3.2 m x 2.6 m x 2 mの面積に収まるMICADASは、市販されている世界で最もコンパクトな¹⁴C-AMSシステムです。そのヘリウムストリッピング機能により、最大47%という非常に高い14C透過率と卓越した測定安定性を提供し、再チューニングを大幅に低減します。
MICADASハイブリッドセシウムスパッタイオン源は、ランダムアクセスが可能な最大40個のグラファイトまたはガスカソードを保持するサンプルチェンジャーを備えています。固体、液体および気体サンプルのルーチン操作で、50~150μAおよび10~20μA C-の安定したイオンビーム電流を容易に得られます。
200 kVの加速電位は、可動部のないソリッドステート電源によって供給されます。そして端子は真空絶縁されていますが、SFや他の絶縁ガスは不要です。低ノイズで実質的に劣化のない最新のガスイオン検出器により、最も信頼性の高い¹⁴Cイオンの検出が可能です。このシステムでは、放射性炭素年代で50,000年よりも古い時代のブランクを簡単に得ることが可能です。
ガスインターフェースシステムGISと組み合わせることで、MICADASはオートサンプラー、元素分析計EA、ガラスまたは石英管に封入されたCO₂ガスの完全自動測定を行います。つまり、MICADASは少量サンプル分析とハイスループット・アプリケーションのための最も適したシステムでもあります。
- SYNAL, H. A., M. STOCKER AND M. SUTER (2007). MICADAS: A NEW COMPACT RADIOCARBON AMS SYSTEM. NIM B, 259(1): 7-13.
- FAHRNI, S. M., L. WACKER, H. A. SYNAL AND S. SZIDAT (2013). IMPROVING A GAS ION SOURCE FOR C-14 AMS. NIM B, 294: 320-327.
- WACKER, L., M. CHRISTL AND H. A. SYNAL (2010). BATS: A NEW TOOL FOR AMS DATA REDUCTION. NIMB, 268(7-8): 976-979.
- WACKER, L., S. M. FAHRNI, I. HAJDAS, M. MOLNAR, H. A. SYNAL, S. SZIDAT AND Y. L. ZHANG (2013). A VERSATILE GAS INTERFACE FOR ROUTINE RADIOCARBON ANALYSIS WITH A GAS ION SOURCE. NIM B, 294: 315-319.
- Wacker, L., G. Bonani, M. Friedrich, I. Hajdas, B. Kromer, M. Nemec, M. Ruff, M. Suter, H.-A. Synal and C. Vockenhuber (2010). MICADAS: Routine and high-precision radiocarbon dating. Radiocarbon 52(2): 252-262.
- Bard, E., T. Tuna, Y. Fagault, L. Bonvalot, L. Wacker, S. Fahrni, H.-A. Synal (2015). AixMICADAS, the accelerator mass spectrometer dedicated to ¹⁴C recently installed in Aix-en-Provence, France. NIM B, 361: 80-86.
特長
- 自動高速チューニングや完全自動化システムをリモートアクセスを通じてACSソフトウェア上で制御可能
- データベース、プリンター (QRコード) やスキャナー装置などのデータ整理ソフトウェアを含む高度なラボ管理パッケージLMP
- 長時間にわたる安定性
- GISを組み合わせた完全自動ガス分析システム
- 真空解除およびイオン源冷却が不要な連続分析用高速マガジン
- 省設置スペース(推奨面積は 5 m x 6 m)
- わずか2.5kWの消費電力
- OSとACSを含む制御システム、アラームとインターロック・システム、内蔵バックアップ・システム、データ・ベース・サーバーなどが付属(制御システム用UPSを含む)
- 空冷仕様、チラー不要
- 固体試料とCO₂ガス用のハイブリッドセシウムスパッタ型負イオン源
- 絶縁のためのSF₆ガスが不要
- 最小限のメンテナンス、総合ツールセット付属
仕様
- ヘリウムストリッピング機能(最大47 %の ¹⁴C-透過)
- 標準的なのグラファイトサンプルで50~150mA、ガスサンプル(> 10mgC)で10~20mAの負イオン電流。
- コスト削減の真空絶縁型200kVタンデム加速器、メンテナンスフリーのソリッドステート電源(電圧安定性±20V)。
- 放射性炭素年代において1.5e-15以上に遡った試料の年代測定が可能。
- 最大2x10^-16放射性炭素年代のマシンブランク
- ランダムアクセス仕様の40ポジションサンプルチェンジャー
- 寸法および重量:3.2 m x 2.6 m x 2.2 m、4,500 kg
- 低ノイズ仕様のガスイオン化検出器
- 電力を削減する永久磁石により平均消費電力はわずか2.5kW。
- 強力な高真空システム(4 x 700 l、3 x 300 l、1 x 80 l Pfeiffer社製)と低真空システム(排気速度 2x7.2 m3/h、到達圧力は0.04mbar)。
- 標準物質分析精度 < 0,2% (¹⁴C/¹²Cおよび¹³C/¹²C)
- 90°磁場(高/低エネルギー 0.5amu MeVと3.5amu MeV)と±40 kV, 90°電場(r 380 mm)からなるイオン光学系。
- 装置放射線量は、最大0.2uSv/h(装置表面10cm)
インターフェース
GISとその周辺機器(元素分析装置、CHS 2、IRMS)を組み合わせることで、MILEAとMICADASは市場で最も汎用性の高い14C用AMSになります。
インターフェース接続と測定例についてはこちらをご覧ください。