ppb分析の最高峰
ディーゼル油、ガソリン、その他の石油関連製品に含まれる硫黄と窒素を最高感度で分析できる微量硫黄・窒素分析装置 trace SN cubeをご覧ください。高温燃焼触媒酸化式の同装置は、ススを発生させることなくあらゆる種類の試料を完全燃焼させて、わずか数分で迅速に分析結果が得らえます。装置内部には硫黄用と窒素用のそれぞれに燃焼・検出系が備わっているため、trace SN cubeはあたかも2台の分析装置が1つの箱の中で稼働するという製品です。 そして、このコンセプトにより各元素の測定は系統別に最適化が行えるため、硫黄と窒素のそれぞれの分析において最高の精度と正確さが保証されます。この装置は速い処理速度と分析性能、フレキシビリティー、自動運転中の安定稼働を兼ね備えた秀逸品です。
trace SN cube 製品ハイライト
最高感度で微量硫黄・窒素の分析
硫黄6ppb、窒素15ppbという、驚異的な検出限界
ススが発生しない完全燃焼
完全燃焼が信頼性のある分析結果と易しいメンテナンスを導く
硫黄分析おける窒素の妨害を回避
ユニークなN Excessモジュールが、硫黄検出時に窒素混入を阻止
幅広い石油系試料に対応
オプションのモジュールの追加により、固体試料、気体試料、液化石油ガス(LPG)の分析が可能
機能
独立2チャンネルシステムで、硫黄と窒素の最高感度を達成
trace SN cubeは、2つの独立した燃焼・検出系が備わり、すべての測定パラメーター(温度、試料注入量、注入速度など)を調整することで、硫黄と窒素を最高の精度と正確さで定量できるよう最適化が行えます。液体試料を測定する場合、50検体用 (温調なし) もしくは56検体用 (温度あり) のオートサンプラーによって燃焼管に直接インジェクションされます。高感度な紫外 (UV) 蛍光検出器と化学発光検出器 (CLD) は、検出限界がそれぞれ硫黄6 ppb、窒素15 ppbという最高感度を誇ります。この検出性能は、極低濃度の試料の場合であっても、決して妥協することなく硫黄および窒素の微量分析が行えます。また、2台の分析装置を一つに箱に収めるという独自コンセプトは、別々に2台購入する場合と比較して大幅なコストと設置スペースの節約につながります。
ススが発生しない完全燃焼が、信頼性の高い結果と容易なメンテナンスを実現
石油や石油化学系の試料の高温燃焼において、不完全燃焼によるススの発生がしばしば問題となります。この問題は、測定データの品質に影響し、さらにはメンテナンス作業の労力増大にもつながります。trace SN cubeは、燃焼酸化効率を徹底的に改善するために特別開発された触媒を使用することで、高温燃焼時のススの発生を回避することに成功しています。 この技術のおかげで、試料注入量が最大80 μlまでであればススが発生することなく試料に点火できるため、どのような試料でも信頼性の高い結果と簡易なメンテナンスが保証されます。
硫黄分析における窒素のコンタミネーションを除外
trace SN cubeの硫黄分析は窒素による妨害を防ぐことができます。紫外蛍光検出器がSO2以外にNOも検出してしまうというよくある問題(窒素濃度が高いと見かけの硫黄濃度が高すぎる)は、trace SN cubeにオプションで独自の N Excessモジュールを追加することで解決されます。 試料由来の硫黄は燃焼後にSO2として専用のSO2吸着カラムで吸着・濃縮され、検出器のNOシグナルがの減衰した後に脱着されて検出器へ向かいます。この技術により、窒素100 mg/kgの存在下で0.1mg/kgの硫黄を正確に測定することができます。
試料タイプの守備範囲の広さも魅力
trace SN cubeは、幅広い試料タイプに応用できます。 試料の導入は、50検体用 (温調なし) もしくは56検体用 (温調あり) のオートサンプラーを使用して液体試料を注入する以外にも、オプションとしてガス用、LPG用、さらには固体用の各モジュールを装着することで、幅広い種類のサンプルマトリックスに柔軟に対応できます。 また揮発性の高い液体試料の分析には、わずか数分で後付けできる温調式のオートサンプラーの使用を推奨します。
安心の10年保証
素晴らしい堅牢性と長寿命を備えたvario EL cubeだからこそ、当社は高温燃焼炉に10年保証を付与します。また長期サポートを大切にする当社のポリシーとして、製造中止後、最低10年間のスペア部品の供給を続けます。これにより、保有期間に掛かるトータルコストを大幅に抑えて投資回収に貢献します。
製品の詳細
trace SN cubeは以下のモードで分析できるよう最適化されています。
SN
S
N
注入範囲
3 - 80 µlの範囲内で自由に設定可能
元素濃度範囲
大きなダイナミック元素濃度レンジ:
S:最大1,000 ppm, LOD 6 ppb
N:最大1,000 ppm, LOD 15 ppb
精度
< 2 % 標準偏差 (SおよびN)、ただし10 ppm標準液を使用した場合
分析時間
1パラメーター当たり~4 - 6分、ただし元素濃度、試料重量、試料タイプ、測定モード、およびシステム構成による。
trace SN cubeは、NとSのそれぞれの専用試料導入ポートに試料液を直接注入し、最大1150°Cのキャリアガス雰囲気下で高温酸化燃焼させます。
パージ & トラップ技術
N Excessオプションを使用することで、N存在量が高い場合でも、その影響を除外して極微量S濃度を正確に測定できます。
検出器
- 硫黄用:高感度紫外蛍光検出器 (UV-F)
- 窒素用:高感度化学発光検出器 (CLD)
試料導入部
広いニーズに見合う選択肢:
- シリンジを使用するマニュアル注入
- 内蔵50検体用*オートサンプラー (温調なし)、液体試料用
- 内蔵56検体用*オートサンプラー (温調あり)、液体試料用
- 内蔵80検体用*または120検体用*、固体試料用
電熱炉の最高温度
1,200 °C
計器制御
Windows®ベースのtrace SN cube・オペレーテLIMSィング・ソフトウェア(統合、自動スリープ機能、自動起動機能を備え、夜間の自動運用と無人運用が可能)21 CFR Part 11機能を利用可能*
使用するガス
硫黄測定用:合成空気
窒素測定用:アルゴン、酸素
本体サイズ
47 × 55 × 57 cm (幅 x 奥行き x 高さ)、ただしオートサンプラーと検出器を除く