TOC/TNb 同位体比の完全自動分析
水系における炭素と窒素の循環を制御するプロセスを解明するためには安定同位体が不可欠です。特に、溶存全有機炭素、全窒素などの溶存物質の定量・同位体分析は、水系の窒素と炭素の循環における主要な物質であることから、重要視されています。iso TOC cubeは、従来機種にはない新しい高温燃焼法を使用しており、溶存全有機炭素(TOC)と溶存全結合窒素(TNb)を定量しさらに同位体を分析することができる唯一の前処理装置であり、生態学者、湖沼学者、海洋学者にとって不可欠なツールとなっています。
iso TOC cube製品の特長
水試料中のTOCの δ13C 同位体分析
準濃縮カラムによる低濃度TOCの分析が可能
水試料中の TNb の δ15N 同位体分析
TNbのδ15N同位体分析が可能な唯一の装置
ハイスループット分析
試料の前処理が不要な直接分析方式
高いシステム稼働率
作業がしやすい低メンテナンス設計
特長
水系試料中のTOCの直接δ13C同位体分析
iso TOC cubeは、湿式化学法やUV酸化法の分析装置と比較すると堅牢性とメンテナンス性に優れた燃焼式の分析装置です。高い燃焼温度により、フミン酸やリグニンなど従来燃焼が困難であった有機物分析にも対応し、マトリックスに依存しない信頼性の高い分析結果を得ることができます。iso TOC cubeは、飲料水、産業排水、土壌浸出物、懸濁液、塩水、海洋サンプルまで、あらゆる種類の液体において比類な精度と正確を持つ溶存炭素・窒素同位体比分析を可能にします。低TOCサンプルには、TOCを準濃縮するカラムをオプションで設定することができます。
水試料中のTNbのδ15N同位体分析が可能な唯一の分析装置
EA-IRMS用iso TOC cube元素分析装置は、水系試料中の溶存全有機炭素(TOC)と溶存窒素(TNb)の同位体比分析を同時に行うことができる唯一の装置です。TNbのδ15N分析には、独自の低濃度モジュール(LCM)と溶存N2を除去するためのメンブレンデガッサーを組み合わせることでサンプルの検出レベルを向上させました。そして、LCMは冷媒を必要としない熱電式冷却とAPT(Advanced Purge and Trap)分離技術により、25ppmのTNb検出レベルを達成しました。
直接分析方式による高いサンプルスループット
サンプルに直接分析を行うことで、煩雑なサンプルの前処理が不要になります。サンプル溶液から溶存炭素・窒素を直接分析するため、凍結乾燥によるオフラインのサンプル前処理によるサンプルを失うことなく、すべての化合物を完全に定量的に変換することができます。24時間365日無人で分析できるよう設計されたiso TOC cubeは、比類ないサンプルスループットを提供します。
低メンテナンス設計による高いシステム稼働率
iso TOC cubeは32ポジションのオートサンプラーを搭載しており、いつでもサンプルの追加が可能です。メンテナンスが必要な場合は、ユーザーフレンドリーなクランプ配管接続は工具が不要であり、アクセスしやすいスライド式ファーネス、快適な作業姿勢を保証します。
安心の10年保証
高温燃焼炉の保証は10年であり、iso TOCキューブの優れた堅牢性と長寿命により、10年保証となっています。また、長期にわたる技術サポートにより、スペアパーツを最低10年間供給します。このため、TCO(総所有コスト)が非常に低く、投資回収の面でも安心してお使いいただけます。
製品の特長
iso TOC cube は以下のTOC、TIC、TNb分析に対応します :
δ13C TOC(全有機炭素)、TIC(全無機炭素)
δ15N* 全結合窒素
サンプル導入量
最大3mlまでの導入が可能
検出元素濃度
幅広い検出レンジ: 溶存炭素濃度: 5 - 60,000 ppm、溶存窒素*: 25 - 60,000 ppm
精度
元素分析(外部精度、1σ、相対):
C: < 2 %
N*: < 2 %
同位体分析精度(外部精度、1σ):
δ13C: 0.1 ‰
δ15N*: 0.2 ‰
分析時間
~ Cモード: 5 分
~ CNモード: 15-20 分*
サンプルや分析モード、設定により変わります
高温燃焼ユニット
酸素雰囲気下950℃での定量的試料分解が可能な反応炉は10年保証付き。オプションである低濃度モジュールには、CO2およびN2用の準濃縮カラムが用意されます。
検出器
- CO2用高感度赤外線検出器(スタンドアローン、IRMSモードで使用可能)
- NO用高感度赤外線検出器(スタンドアローンモードのみ)*
サンプル導入
気体除去機能付きのシリンジインジェクションによるサンプル導入、32または50*ポジションの液体オートサンプラー、分析中にサンプル追加が可能。自動酸注入およびスパージング機能付き。
反応炉最高温度
1,200 ℃(標準使用温度:950 ℃)
装置制御
Windows®ベースのlyticOS®ソフトウェアスイート、LIMS、自動スリープおよびウェイクアップ機能により、夜間無人運転が可能。
必要なガス
ヘリウム、酸素
外形寸法
モジュール 1:
48 x 63 x 82 cm (幅 x 奥行き x 高さ、サンプリングターレットを含む)
モジュール 2*:
27 x 62 x 53 cm (幅 x 奥行き x 高さ)
電子天びん:
元素分析装置と組み合わせてシステムを形成します。 大手メーカーの分析天びんを当社の機器で提供しています。 詳しくはお問い合わせください。
低濃度モジュール(LCM):
燃焼後のN2とCO2の準濃縮のためのオプション。 LCMは、Advanced Purge and Trap(APT)分離カラムに極低温設定が可能な熱電冷却を提供し、室温以下で優れたクロマトグラフィーを実現します。