製薬分野における元素分析
製薬業界の分析装置メーカーに対する期待は非常に高いところにあります。高付加価値製品を生み出すこの市場では、高い分析精度、処理速度、高度な自動化、無人運転、容易なメンテナンス、ダウンタイムが発生しないなど、多くのことが求められます。当社は、この数十年もの間に製薬業界向けの分析装置を製造する一方、お客様へ耳を傾け多くのことを学び続けています。そこからヒントを得て新たなテクノロジーの特許化も進めながら元素分析装置に絶えず改良と最適化を加え、ユーザーの利便性と分析結果の向上を常に追い求めます。
医薬品の品質管理
医薬品中の炭素、水素、窒素、酸素、硫黄の元素濃度は、医薬品製造プロセスの品質管理における重要なパラメーターとして役立ちます。例えば、ある固有の元素組成を持つ活性物質は製剤の中で元素組成が異なる担体と混ざり合っていますが、活性物質の濃度は元素分析によって簡単かつコスト効率良く検出することができます。
製造設備の洗浄バリデーション
医薬品製造プロセスにおけるバッチ製造間のクロスコンタミネーションを防止するために、全有機炭素 (TOC) 分析法が業界内で標準的な方法とし広く受け入れられています。医薬品製造者はこの分析手法を用いることで、あるバッチ製造で使用した反応釜が次のバッチに移る前に確実に洗浄され汚染物質が除去されているかどうかを、反応釜内の炭素含有残渣の有無を調べることにより確認することができます。このことは特に、同じ製造設備を用いて複数の異なる医薬品を製造する製薬企業にとって、安全で汚染の無い医薬品の製造を確実に行うために不可欠なものとなります。また、TOC分析は、医薬品の製造過程で使用される水 (製薬水) が高品質な医薬品に適した十分な純度を有しているかどうかをチェックするためにも用いられます。
適格性評価関連サービス
医薬品規制当局によって製薬業界の製造メーカーに課せられるGMP関連規制に対応するため、当社は無停電電源装置、21 CFR Part 11準拠ソフトウェア、バリデーションを構成する適格性評価として設備据付時適格性評価 (IQ)、運転時適格性評価 (OQ)、性能適格性評価 (PQ)をオプションとしてご用意しています 。さらに、高度な自己診断機能、ツール不要なメンテナンス、遠隔・無人運転を可能にする自動化技術により、長い分析システムの稼働時間と扱い易さが保証されます。