木質アーカイブによる地球の気候分析
Stievenard博士が働く場所は植物が育つ場所ではありませんが、博士の研究は木に関するものです。博士は同僚のPierreは、LSCEの大陸古気候セクション(Laboratoire des Sciences du Climat et de l’Environnement)の安定同位体研究所を監督する研究エンジニアです。 このグループは、科学者リーダーであるValérieDauxとともに、年輪からのセルロースの炭素と酸素の同位体組成を分析します。 この分析データは、過去の気候、特に年輪セルロースの炭素と酸素の同位体比に記録された湿度と温度の条件に関する分析結果をもたらします。
過去の地域の気候は、世界中の場所から集められた木を元に再構築されています。たとえば、チベット、モロッコの生木、スウェーデンの La Réunion islands島の木の化石、フランスの歴史的な城の巨大な木の梁などです。 最近のプロジェクトでは、パタゴニアに生息する Fitzroya cupressoides と呼ばれる樹齢 4,000 年近くのヒノキの種に焦点を当てています。高度な 樹木セルロースの抽出プロセスの後、3人の研究者は Elementar の EA-IRMS インターフェースを利用して貴重なサンプルを分析します。 1 年ごとの年輪のセルロース抽出では、非常に限られた量のサンプルしか得られないことが多いため、分析は 20 µg という微量のサンプルでも定期的に行わなければなりません。ここでは、IsoPrime100 IRMS に結合されたEA-IRMSシステムのであるvario MICRO cubeのパフォーマンスが発揮されます。
このシステムは、非常に低い測定範囲でも直線性と安定性の点、そして利便性と使いやすさの点でも優れています。
Stievenard博士は、今のシステムと以前使用していた競合他社のシステムとの違いについて尋ねられたとき、次のように述べています。 エンジニア達は、セルロースの 2 回の反復分析に対して、差が 0.15 ‰ 未満であるという棄却基準を適用します。 以前のシステムでは、すべての反復分析の 70 % しかこの基準を満たしていませんでしたが、Elementar の EA-IRMS システムではほぼ常に基準を満たしているため、より高い分析再現性が実証されています。 また、消耗品の使用に関してもエンジニアチームはシステムの最適化を行いました。
1 回のリダクション チューブ充填で最大 3,000 回の分析を行うことができます。酸素の流れと投与時間を少量サンプルに合わせて調整しました。
Elementar の専門家でさえ、この還元銅の消費量の少なさに驚いていましたとStievenard博士は言います。Elementar は、LSCEで年輪セルロース調査に携わる研究者達からの厳しい条件をみたすソリューションを提供できることを誇りに思っています。
LSCE 安定同位体研究所について
LSCE (Laboratoire des Sciences du Climat et de l’Environnement) 大陸気候部門の安定同位体研究所は、年輪セルロースの炭素 (δ13C) および酸素 (δ18O) 同位体分析から過去の気候の再構築に焦点を当てています。 過去 2,000 年から 3,000 年にわたる気候は1 年単位の精度で再構築されます。 ベルサイユ大学、CEA (Commissariat à l’Énergie Atomique et aux Énergies Alternatives)、および CNRS (Centre National de la Recherche Scientifique) と協力して、研究、方法開発、トレーニングを提供しています。
導入装置: | IsoPrime100 (legacy instrument, successor: isoprime precisION) interfaced with vario MICRO cube combustion analyzer (legacy instrument, sucessor: vario ISOTOPE select)for δ13C analysis of tree ring cellulose |
住所: | Laboratoire des Sciences du Climat et de l’Environnement (LSCE-Orme) |
詳細連絡先:
| E-Mail: contact@lsce.ipsl.fr Website: www.lsce.ipsl.fr |
引用:
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