生態学と農学のための安定同位体分析ソリューション
安定同位体分析システムEcovisIONは、生態学の分野で包括的かつ高性能な安定同位体分析を提供し、生物界の複雑な相互作用に対する比類のない考察を提供するためのツールです。
EcovisIONによる安定同位体分析は、例えば海洋ではその複雑な食物網を解明し、自然保護の支援や脆弱な種の保護のための政策を立案するための手段になり得ますし、また、陸域では固有の同位体組成を解析することにより、陸上の動物の移動パターンを追跡することができます。さらに農学では、作物と土壌の複雑な相互作用についての洞察を得ることができます。
これらの生来の関係を理解することは、次世代が現世代と同じ体験・経験を享受するために生態系を管理することにつながります。EcovisIONは世界を変える力を持つツールなのです。
EcovisION 製品の特長
使いやすさ
Good-For-Go機能により、ワンクリックでシステムのセットアップが可能です
高度なデータ解析
従来品とは比べものにならない優れた安定同位体解析ソフトウェア
小さな設置面積
従来機種と比較して設置面積を約50%削減
低コスト
システムのスリープ/ウェイクアップ機能による各種コストの低減
特長
使いやすさ
EcovisIONは、単純な分析と高度な制御を組み合わせることで、非常に簡単な操作性を実現しました。主な機能は以下の通りです。
- 自動希釈機能
- エンリッチメント測定のための自動ゲインスイッチング
- 随時サンプルを追加できる120 試料搭載カルーセル
- Good-For-Go 機能により クリック一つでセットアップ操作が進行
高度なデータ解析
生態学の研究者は、EcovisIONが持つ以下の機能により最先端の分析機能を利用することができます。
- 元素組成量の差が大きいサンプルに対応した100Vダイナミックレンジのヘッドアンプ
- 分析ガスをベースライン分離するためのパージアンドトラップクロマトグラフィー
- 微量窒素分析のためのゼロブランクボールバルブ
- アプリケーションのために開発された安定同位体データ処理ソフトウェアスイート
最小の設置面積
EcovisIONの設置面積は従来の安定同位体分析装置よりも約50%小さく、最もコンパクトなソリューションであると同時に、最も機能的な分析装置の1つです。
低い所有コスト
EcovisIONのスリープ/ウェイクアップ機能により消耗品コストを低減させることができます。また、システムの長期的な信頼性を示すため、電熱炉には10年保証をつけています。
製品の詳細
EcovisIONは、以下のモジュールで構成された安定同位体エコロジーのための完全なソリューションです。
isoprime visION 安定同位体分析装置
isoprime visION同位体比質量分析計は、優れたバルク同位体分析および化合物固有の同位体分析を提供します。使いやすさを重視して開発されたisoprime visIONは、シンプルであることが特徴です。安定同位体分析の全く新しい体験を提供します。日常的なメンテナンスから解放され、機器ではなく科学に集中することができます。このようにisoprime visIONは、まだ同位体比質量分析の経験が浅い研究室にも、安定同位体分析の可能性を切り開きます。
centrIONモニタリングガスハンドリングとインレットインターフェースシステム
centrIONはisoprime visIONシステムの強力な核となるものです。デジタル制御による完全自動化により、centrIONはisoprime visIONのインレットシステムの中心的なインターフェースとなり、装置のパフォーマンスチェックに必要なモニタリングガス導入を行います。
isoprime visIONに内蔵され、lyticOS®ソフトウェアスイートによってインテリジェントに処理されるcentrIONは、複雑なタスクを驚くほどシンプルに実行するためにシームレスに動作します。
centrIONを使用すれば、装置の日々のメンテナンスから解放され、研究に集中することができます。
lyticOS®: データ取得および解析のためのEcovisION ライセンス
lyticOS® ソフトウェアスイートは、isoprime visION安定同位体分析計のための画期的な新しいソフトウェアです。isoprime visIONとcentrIONと連動し、比類ないレベルのインテリジェントな制御を提供します。
lyticOS® は安定同位体分析のために開発・設計された、最も機能的かつシンプルなソフトウェアです。その機能的なれたユーザーインターフェースとは裏腹に、比類ない能力を発揮し、優れたデータを簡単に取得することができます。
さらにlyticOS® により、isoprime visION はサンプル分析前後でシステムのモニターを行い、サンプル分析の信頼性を補完するデータ付帯させることが可能です。
vario ISOTOPE select: CNS分析用の元素分析装置
vario ISOTOPE selectは、安定同位体分析に特化した元素分析装置であり、高品質データを取得できる優れた堅牢性を備えています。エレメンター社が特許を持つダイレクトTPD吸脱着カラムを採用しており、CNS多元素同時分析における各元素ピークのベースライン分離能が常に保証されています。
サンプルが燃焼する位置に制御された酸素ジェットを直接吹きかけてサンプルを燃焼させることで、優れた精度と確度が保証されます。これにより燃焼しにくいサンプルであってもマトリックスに依存しない結果を得ることが可能です。
vario ISOTOPE selectは、CNSの同位体比の同時測定を9分以内に行うことができる最速の前処理装置です。分析を停止させることなく分析中に、追加のサンプル分析をスケジュールすることが可能ですし、夜間の無人測定を安全に行えるよう設計されています。
これら4つのコアモジュールに加えて、EcovisIONはゲインスイッチングによるエンリッチメント測定も可能です。
微生物生態学への応用:
すべての生物は複雑な生態系の中に存在していますが、すべての生態系が簡単に観察できるわけではありません。例えば、土壌環境で起こる非常に複雑で重要な相互作用は、土壌の品質やその生産性に大きな影響を与えますが、正確に分析することは困難です。
EcovisIONに分子レベル同位体分析というアプローチを加えることで、有機化合物毎の同位体分析が可能になり、土壌中生動物相の動的な関係を解明することができます。
GC5システムは高感度検出を可能にし、シンプルで使いやすいため、EcovisIONによる分析は微生物の活動を定量化する手掛かりになります。
アイソスケープデータベースの構築:
生物は移動する際に、移動する地域ごとに特有な降水のδ18OとδDを生理的に取り込んでいます. つまり、局所的な降水のδ18OとδDの変化を理解することは、鳥や昆虫など移動の追跡が困難な動物の移動パターンを調べる方法としても利用できるということです。EcovisIONにvario 液体サンプラー(VLS)を追加することで、水のδ18OとδDの完全自動分析が迅速かつ簡単に行えます。
熱分解法を用いた古生態学解析:
化石化した骨のアパタイトやエナメルのδ18Oは。古代の生態系を理解するに上で重要な指標です。これらの分析を行うために、遺跡からアパタイトを抽出した後、安定同位体分析の前にリン酸銀として調製する必要があります。遺跡からアパタイトを抽出した後、安定同位体分析の前にリン酸銀として調製する必要があります。
vario PYRO cube®元素分析装置は、独自のバックフラッシュ技術により、分析対象であるCOガスと不要なN2ガスをを完全に分離することができる、画期的な熱分解性能とガス分離機能を備えています。
安定同位体比と元素組成比の同時定量:
EcovisIONは、安定同位体と元素組成両方のデータを1つのサンプルから同時に取得することが可能です。より正確な元素分析は、精密な分析前のサンプルの秤量を必要としますので、その最高のパフォーマンスを発揮するために、6桁表示の電子マイクロ天秤を付属させることができます。
- 樹木、植物
- 動物、鳥類、魚
- プランクトン、昆虫
- 土壌、堆積物
- 地下水、植物水
- グラスファイバーフィルターで回収したサンプル
- リン脂質脂肪酸(PLFA)
- アルカン
- バイオマーカー