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カスタマースポットライト:ランカスター大学 ランカスター環境センター、イギリス

ランカスター大学は古気候の復元にIsoPrime100を使用しています

Peter Wynn 博士は、ランカスター大学の上級講師であり、ランカスター環境センター (LEC) を拠点として、古気候の復元と氷河学の分野で研究している安定同位体地球化学者です。 Wynn博士は、物理地理学の学位プログラムにも貢献しており、これら両方の分野で教鞭をとっています。 また彼自身の研究と教育を行うだけでなく、部門内の安定同位体施設を主任技術者 David Hughes氏と共に運営しています。この施設は 2009 年に稼働し、Elementar から購入した 2 台の装置を主力として機能しています。

この施設には、VLS 液体オートサンプラーを備えた vario PYRO cube® 元素分析装置と接続したIsoPrime100 IRMS があり、燃焼モードでの硫黄同位体、高温熱分解による硫酸塩の酸素同位体、および固体と液体の両方のサンプルの水素同位体測定を定期的に行います。 この装置器にはデュアルインレット機能が装備されており、チームは連続フローモードで分析しながら SO2、CO、および H2 モニタリングガスを安全に供給しています。

Lancaster University の研究室に設置されている IsoPrime100

施設の 2 台目の IsoPrime100 は MultiFlow に接続されており、炭酸塩中の炭素と酸素の同位体につ分析を定期的に行うとともに、水の酸素同位体組成ヘッドスペース分析も行っています。 GC5 システムによって機能をが向上させることで、環境サンプル中の化合物固有の同位体分析も可能になりました。

この施設では最近、欧州地域開発基金 (ERDF) を通じて調達された資金により、Elementar UK とのプロトタイプ段階の EcovisION 安定同位体分析装置ベータ テストを行う産学連携を実現しました。この装置は、固体有機サンプル中の炭素および窒素同位体の分析用装置vairo ISOTOPE selectと共に一緒に使われます。

この施設は、安定同位体分析に移行する戦略的必要性を確認した上でElementar 装置を導入しました。 この施設は研究テーマが非常に幅広いため、さまざまな種類のサンプルや環境問題に対応できる機器を購入したいと考えていました。

Wynn 博士のチームは現在、深層地質学から汚染力学、野鳥の移動パターンまで、さまざまな環境問題に安定同位体分析を適用しています。 このチームは、部門内の研究者だけでなく、世界中の環境研究機関の分析ニーズにも対応しています。

この部門の専門分野は、硫黄同位体の分析と高温酸素熱分解であり、チームは、鍾乳石、年輪、炭酸塩岩などの古記録から硫黄同位体シグナルを抽出する技術を確立しました。 硫酸塩やリン酸塩などの酸素含有分子から同位体記録を抽出するために、高温熱分解を日常的に使用しています。

Wynn博士はElementarとの関係について、次のように述べています。

私は過去 15 年間、いくつかの異なる機関でElementarの装置を使用してきました。 科学分野の最先端にい続けるための柔軟性が大変印象的で、Elementarが同位体分析の第1選択であり続ける理由はそこにあると思います。

Wynn博士は今、この施設が温室効果ガスの同位体分析に参入する上で必要な、isoprime precisIONおよびiso FLOWシステムの次の購入を考えています。この部門には、さまざまな環境サンプル中のメタン C および H 同位体を分析するという科学的な課題を抱えており、Wynn博士は、このチームが脱窒技術を使用して環境サンプル中の硝酸塩 N および O 同位体組成分析できるようにしたいと考えています。

ランカスター大学 ランカスター環境センターについて

ランカスター環境センターは、ランカスター大学の環境研究者、学生、政府科学者、営利企業からなるコミュニティです。 壮大な環境課題に対処することを目的としており、高品質な同位体データを提供するとともに、新しい技術を開拓するための生態学・水文学センターと、それらのセンターと連動する安定同位体比質量分析施設から構成されています。

導入装置 

IsoPrime100 IRMS

(legacy instrument, successor: isoprime precisION)

with Dual Inlet, vario PYRO cube® elemental analyzer and VLS liquid autosampler 


IsoPrime100 IRMS

(legacy instrument, successor: isoprime precisION)

with Dual Inlet, MultiFlow and GC5 analyzer


EcovisION 

住所

Stable Isotope Ratio Mass Spectrometer Facility 
Lancaster Environment Centre 
Lancaster University 
Lancaster 
United Kingdom 
LA1 4YQ 

詳細連絡先

Email: p.wynn@lancaster.ac.uk

Website: www.lancaster.ac.uk/lec/research/research-facilities/#d.en.374286 

引用

  • Smith, A., Wynn, PM., Barker, P., Leng, M., Noble, S. 2016. North Atlantic forcing of moisture delivery to Europe throughout the Holocene. Scientific Reports. DOI: 10.1038/srep24745. 

  • Benn, D. I., Le Hir, G., Bao, H., Donnadieu, Y., Dumas, C., Fleming, E. J., Hambrey, M. J., McMillan, E. A., Petronis, M. S., Ramstein, G., Stevenson, C. T. E., Wynn, PM. & Fairchild, I. J. 2015. Orbitally Forced Ice Sheet Fluctuations in Snowball Earth. Nature Geoscience. DOI: 10.1038/NGEO2502. 

  • Wynn PM., Morrell, D., Tuffen, H., Barker, P., Tweed, FS. and Burns, R. 2015. Seasonal release of anoxic geothermal meltwater from the Katla volcanic system, Sólheimajökull, Iceland. Chemical Geology. DOI: 10.1016/j.chemgeo.2014.12.026 

  • Wynn, PM., Loader, N. and Fairchild, IJ. 2014. Interrogating trees for isotopic archives of atmospheric sulphur deposition and calibration to speleothem records. Environmental Pollution, 187, 98-105. 

  • Wynn, PM., Borsato, A., Baker, A., Frisia, S., Miorandi, R., Fairchild, IJ.  2013 Biogeochemical cycling of sulphur in karst and transfer into speleothem archives at Grotta Di Ernesto, Italy. Biogeochemistry, 114 (1-3) 255 - 267 

 

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